インターネット回線がVDSL方式だった際の速度改善方法

インターネット回線の種類について

物件を探す際にまず『部屋の特徴・設備』を見る。
『高速ネット対応』『光ファイバー』の文字があればその物件は光配線ありだと思いがちだが、実際は詳細が大きく異なり、必ずしも自室で光配線が使用できるとは限らない。

◆入居前にVDSL方式・光配線方式か要確認(フレッツ光の場合)
https://flets.com/s/move
上記に住所を入力し、入居予定のアパートかマンションを探す。その物件がどのプランに入っているかが分かる。

光ファイバー(光回線)の種類

◆VDSL方式
共用スペースまでは光回線、そこから各部屋へは電話回線(メタル回線)が引かれる。それにより回線速度が一気に劣化する。速度は最大100Mbps。
(https://flets.com/first/kouji/const_apartment_vdsl.html)

◆LAN方式
共用スペースまでは光回線、そこから各部屋へはLANケーブルが引かれる。VDSLよりは速度が出るが、それほど変化はない。速度は100Mbps。

(https://flets.com/first/kouji/const_apartment_lan.html)

◆光配線方式
共有スペースも各部屋も光回線が引かれている。速度が一番早い。速度は最大1Gbps。

(https://flets.com/first/kouji/const_apartment.html)

光配線方式の見分け方

まず部屋に光コンセントが常設されているかどうかを確認する。
これがあればその物件は間違いなく光配線方式となり、部屋でも光回線を使用できる。
検討中の物件では、サイト内か内覧時にコンセントのケーブル挿入部の形状を必ず確認する。
分からない場合は不動産屋に赴き、物件の管理会社に直接連絡を取ってもらい確認する。

▼光配線方式

▼VDSL方式

VDSL方式について

VDSL方式は「普通に使用していても50Mbpsは出る」「50Mbps出ていれば、ネットサーフィンや動画鑑賞は問題ない」といわれている(オンラインゲームはゲームによる)が、実際ネットを使用してみると曜日や時間帯によって速度が激減し、まともにネットサーフィンすらできなくなるので何の根拠もない。

旧居(アパート)では光配線方式で1Gbps中300Mbps程出ていたのが、新居(マンション)ではVDSL方式で100Mbps中たったの5Mbps。50Mbpsどころの話ではない。5Mbpsというと、Youtubeの動画でブロックノイズが出始めるレベルだ。動画の読み込みも遅くなってザラつき、まともに見ていられない。
光配線の1/10どころか1/60だ。

各部屋の住人が一斉にネットにアクセスすると回線がパンク状態になりさらに速度は落ちる。特にゴールデンタイム(20:00~24:00くらい)は危険だ。

できることなら光配線方式の方が絶対に良い(ただしVDSL方式と比べて利用料金が高い)。

物件がVDSL方式だった場合、光配線方式に変更できるか

◆検証1
物件(マンション)の共有スペースまでは光回線がきているので、そこから自室まで個人で光回線を引き込めるのではないか。

◇結果
配線管が耐火処理されているため、光回線を引き込むことができないという。

まずNTTに連絡すると物件の状況を調べてくれた。そして「配線管が耐火処理されているようなので出来ない」と言われた。
「念のため物件の管理会社に連絡を取り『配線管に光回線を通すことができるのか』『配線作業することは可能なのか(許可がもらえるかどうか)』を確認してほしい」と言われたので、管理会社へ連絡をし、その旨を伝え調べてもらうことにした。
結果、配線管が耐火処理されているため光回線は×。

※マンションでVDSL方式の場合、その建物の構造上光配線方式にすることが不可能な場合がある(配線管が建築の時点で潰されている)。
また、費用の問題もある(光回線は高く採用できない)。

 

◆検証2
集合住宅として不可能なら、工事費はかかるが個人で戸建てプランを申込み、光回線を室内に引き込む工事をする。

◇結果
階層の高い物件はそもそも工事が不可能だという(新居は10階建てで契約し自室は5階以上)。

NTTに確認してみると「近くの電柱から回線を室内に引き込む工事になるが、高層の場合は工事スタッフが現地を見ないとできるかどうかは判断できない」とのことだった。

個人で調べると光回線を引き込むには3階くらいまでが上限のようで(電柱の高さの関係)、自室の階層は不可能と判断し諦めた。
人によっては10階以上でも引けたという話がチラホラあるが、それは検証1にある「配線管の耐火処理」が施されていた故に可能だったと思われる(配線管から通すなら何階であろうと関係ない)。

仮に戸建プランで引き込めたとしても、管理会社から工事の許可をもらわなければならない。
配線管を使わないとなると外から引き込むしかないので、当然壁に穴を空けることになる。
管理会社から許可が出るのかどうか確認したところ「穴をあけたり建物に傷をつけなければいいですよ」とこのことで、結局不可能という結果に終わった。

※『仮に、壁に穴を空けることになっても退去時に元の状態に戻す事を約束すれば許可が下りる場合もある。
※実際に撤去工事を行う際には、壁に穴が空いていればしっかりとふさいでくれる。
このような事例もあるらしいので、工事が可能な場合ダメ元で食い下がってみるのもいいかもしれない。
(https://myflets.com/advanced/landlord)

NURO光に申し込むという手もある

(https://www.nuro.jp/formansion)

NURO光は階層制限がない。しかも最大2Gという、光配線方式よりも速い。

ただし、NURO設備が導入済でない場合は『エントリー』をしなければならない(エントリーしたからといって工事ができるわけではない)。
一番難易度が高いのは、マンション内で4人以上の利用希望者がいなければ導入工事が出来ないということだ。あまりにも過酷である。
しかも管理会社やオーナーがNURO光導入を拒否した場合はその時点で終わる。

導入までの難易度が凄まじく高く、手軽に個人でサクサク手続きが出来ない。

これは集合住宅なら仕方ないのかもしれないが、NURO光であっても回線をマンション全体で共有すれば速度低下が起こりやすい。

こうしてみると、マンションよりアパートの方が階層2階まで&戸数が少ない点で、工事や光回線導入のハードルは低く融通が利きそうだ(築年数が浅いアパートでは光配線方式が採用されているところもある)。


VDSLから光配線方式に変更できない場合の解決策

▼参考
IPv6対応で速くなる?「IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6 接続サービス」って何者?
https://xn--54qx9kpt2b.tokyo/about_IPv6_IPoE/IPv6_IPoE_IPv4.html

▼参考
IPv6 IPoEとは?IPv4 PPPoEとの違いやv6プラス等のメリットを解説!
https://4net.jp/ipv6-ipoe/

▼参考
IPV4とIPV6を共存させるハイブリッドサービス「V6プラス」を徹底解説
https://internet-manual.net/ipv6-over-ipv4/

回線速度が遅くなる原因

全員が全員デフォルトのIPv4 PPPoEを利用しているせいで、NTT基地局内が混雑し回線速度がガクッと落ちる。VDSLならさらにあおりを受ける(もともと遅い)。

PPPoE方式(IPv4)からIPoE方式(IPv6)にすれば、その混雑を回避できる(IPv6はIPv4よりも利用者が少ない)(IPv6とはIPアドレスが足りなくなった為に開発された仕組み)。

「IPv4からIPv6に変えると速くなる」のではなく「IPv4 PPPoE接続からIPv6 IPoE接続に変えることで速くなる」。

IPv6接続した場合、IPv6に対応したサイトしか見られなくなる。対応サイトはまだごく一部。ほぼIPv4サイトなので結局従来のIPv4で見ざるを得なくなる。

ここでIPv4 over IPv6が登場。IPv4サイトをIPv6に接続した状態からでも見ることが出来るようになる。要は混雑していないIPv6から激混みのIPv4へスムーズにアクセスできる。

IPv6接続で回線速度を上げることができ、且つIPv4サイトへもIPv6接続状態で見ることが出来る最強の組み合わせ。
それが【IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6】

IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6を使用することで、VDSL方式の絶望的な回線速度から脱却できる。光配線時代と比べて体感はほぼ変わらない。
動画やゲーム等、ゴールデンタイムにプレイしても画僧が荒れたりカクカクしない。VDSLとは思えない程至極快適である。
自宅がVDSL方式なら絶対にIPv6 IPoE + IPv4 over IPv6を利用したほうがいい。

ネット回線速度測定結果

▼IPv4時

▼IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6時

モバイルWIFIルーターという選択肢もあったが、月額費用の面と感覚的に自分に合わないと判断したため除外。
(参考→https://www.wimax-speed.com/2018/05/07/vdsl_hikari_daigae/)

IPv6 IPoE + IPv4 over IPv6を使用する条件

①住居がフレッツ光、ビッグローブ光、ドコモ光等の光回線を契約している。https://flets.com/s/move
まずここで自宅の契約回線を調べる。
自分のマンションは「フレッツ光ネクスト マンションタイプ プラン2」のVDSL方式。共有スペースまでは光回線が届いている。


②自分が契約しているプロバイダがIPv6 IPoE + IPv4 over IPv6に対応している。
プロバイダごとに名称が違うが、内容は同じ。
自分は引っ越す前からずっとビッグローブを契約し続けていて、幸運にもビッグローブは「IPv6オプション」という名称でIPv6 IPoE + IPv4 over IPv6の接続サービスを行っている。(https://support.biglobe.ne.jp/ipv6/)

さらにビッグローブでは、「対象回線」(自分の場合→フレッツ 光ネクスト)の他に、「対象コース」(自分の場合→BIGLOBE光パックNeo with フレッツ)も使用条件に含まれているので要確認。(https://support.biglobe.ne.jp/ipv6/option.html)


③IPv6サービスに対応する機器を持っている。
VDSL方式の場合、工事の際に貸し出されるモデムでは利用できないので、別途IPv6サービス対応ルーターを用意する必要がある。
ビッグローブでは月500円でレンタルしてくれるが、長い目で見れば多少高くついても自分で選び購入する方が良い。ビッグローブで動作確認できたシリーズを買うのが無難。

▼IPv6サービス対応動作確認機種
https://support.biglobe.ne.jp/ipv6/compatibility.html

上記を加味しつつ、下記のレビューサイトや解説サイトを参考に、気になっていたNECの「Aterm WG2600HP3」を購入。(2018/11当時)

▼Aterm WG2600HP3 にしてみた(BIGLOBEで繋いでみた)
https://bso.at.webry.info/201807/article_9.html

▼価格ドットコム
http://review.kakaku.com/review/K0001059859/#tab

▼NEC Wi-Fiルーター Aterm PA-WG2600HP3を買ったのでレビュー
https://sundaygamer.net/pa-wg2600hp3/

現在も絶賛稼動中。レビューにあるような切れる現象もなく至極快適だ。


④申し込み

各プロバイダから。ビッグローブの場合「IPv6オプション」の利用料金は初期費用&月額費用ともに無料。
接続機器を持っていない場合は購入代か月額レンタル代が別途かかる。
IPv6オプション単品で申し込んだ場合、2時間~1日で利用できるようになる。


⑤接続方法

ONU/VDSLモデム→v6プラス対応ルーター→PC

購入かレンタルしたルーターの説明書を読み、手順通りに操作する。
購入したルーター(Aterm WG2600HP3)のAtermクイック設定から、動作モードをPPPoE→IPv6に変更する。