独身一人暮らしが高齢で購入する(仮)中古マンションの注意点

はじめに

中古マンションといっても値段はまちまちで、例えば関東で調べると900万や1,000万以上の物件が多く、それ以下はなかなか見受けられない。安いに越したことはないと思いつつ安値には安値の理由があるので、安易に手を出さず購入費用は1,000万以上を基準にした方が良いかもしれない。高い買い物なので後悔はしたくない。

中古マンションの購入条件として金額や築年数、駅やスーパー等へのアクセスに目が行きがちだが、他にも注意する点があるのではないだろうか。

そう思い調べていくと、下記の解説動画を見つけた。

この動画で解説している方は、過去30年間で3000件以上の不動産売買に携わっている。
情報の信頼度は高いと言える。

マンション購入で後悔しない為にも、見ておくと大変参考になる。

この動画は【Part.1】と【Part.2】に分かれており、それぞれ内容の趣が異なっている。
その為一緒くたにまとめず別々に分け、ランキング形式で記載した。リノベーションマンションについては別途項目を設けている。
また、動画にはない内容や補足も追加している。
詳しい解説は動画を参照してほしい。

中古マンションを購入する際の注意点【Part.1】

▼参考
【中古マンション】買ってはいけない、NGマンション10選!売れにくいマンションを買うと後悔します。NGマンションを10位から1位まで一気にカウントダウン!
https://www.youtube.com/watch?v=rJ_C615yVCw
〇下記に1つ以上当てはまる→要検討
〇2つ以上→避ける

10位 坂の上のマンションで駐車場が100%取れていない

『100%』とは、戸数に対して100%駐車場台数がないという意味。
あったとしても階段を使わなければ到達できないような構造のマンションのこと。
周辺部の駐車場を探さなければならないが、需要があるため空きがない。
結果、敷地外の駐車場を借りるしかなくなる。

9位 給湯器が電気温水器しか使用できない

電気温水器→深夜電力(※)を使用しお湯を沸かす。
※ 深夜時間帯は電気が余り気味になる。深深夜時間帯の電気代を割安に、代わりに昼間の電気代を割高にした料金メニューがある。

①貯湯タンク内でお湯を沸かすが、水が無くなればその時点でお湯が使えなくなる。
②水圧がガス給湯器より弱い。
③機器買い替えの費用が高い。

8位 フローリング禁止(敷き込みカーペット)

①中古マンションでは、構造上スラブ(※1)厚や階高(※2)の関係でカーペットにして遮音するしかない場合がある。
※1(コンクリートの床)
※2 建物の下の階の床面から上の階の床面までの高さ。建物の1階分の高さ。

②構造上、生活音が響きやすい。
③衛生的に良くない(掃除もしにくい)。

▼参考
【中古マンション】マンション購入失敗事例ワースト3!どのような内容で購入経験者は失敗し、損しているのか?具体的に解説します。失敗したくない人必見。
https://www.youtube.com/watch?v=y7lHaElRisM

床の構造を確認→音が軽減される。
①二重床+二重天井かどうか(直貼りは×)。
②フローリング規制があるかどうか(遮音等級LL-40以上であればベスト)。

7位 一棟全体の戸数が30戸程度以下

①毎月の管理費や修繕積立金が高くなる。
②滞納者が出た場合に修繕計画に影響が出る。
③大規模修繕の際に積立金が足りなくなり一時金(※)の負担額が大きくなる。

※毎月収納する修繕積立金とは別に、大規模修繕のタイミングや10年毎などのサイクルで臨時に徴収する修繕費用。数万円~100万超。

50戸~60戸以上のマンションを選ぶと良い。

6位 月々の積立金額が目安200円/㎡以上ない

〇ガイドラインでは178円/㎡~218円/㎡。
〇規模が大きいマンション程安くなる。
〇20階以上では平均値206円/㎡。
〇70㎡マンション(3LDKくらい)では月14,000円。

①大規模修繕が実施できない。
②新築当初から積み立てていることが必要。

段階増額積立方式→新築当初は少ない金額で設定されている(建築年数が経過するごとに増額)。

マンション全体の積立金総額を確認し、長期修繕計画と照らし合わせることが必要。

◆積立金総額&長期修繕計画の確認方法
仲介会社を経由して「重要事項に関わる調査報告書」書類を管理組合から取得する。

【記載内容】
〇現在の管理費や修繕積立金。
〇管理費、修繕積立金の滞納額(マンション全体と対象となる部屋)。
〇管理組合の会計(修繕積立金の総額などが記載)。
〇大規模修繕工事の予定。
〇管理費や修繕積立金の値上げ予定。

5位 エアコン設置が出来ない居室がある

《田の字型間取りで外廊下側の場合》
外廊下に室外機が置けず、配管を通すスリーブも開いていない→3LDKのうち2つの居室でエアコンが使えなくなる。

4位 リビングなどの主要開口部、サッシ側のロケーションが悪い

①リビング側の眺望は資産価値に直結する(私のように高齢で購入予定の場合、資産価値は重視していないのでそこまで重要ではない)。
②マンションのメリットである「眺望&日照の良さ」が無くなる(物件が売れない原因上位)。
③これらによるストレスで買い替えせざるを得ないことが多々ある。

3位 駅から徒歩10分以上かかる

①中古マンションは立地条件が第一優先。

私の経験上、許容時間は15分以上まで。20分越えは未経験。
高齢で購入するのであれば10分以内が良い(現在そのようなマンションに住んでいる)。

2位 【絶対避けるべき】エレベーター無しの4階&5階の住戸

①郊外の古い団地形式のマンションに多い。
②需要があるのは1階&2階のみ(売却の場合)。

高齢で住む場合、身体的に1階が必須。許容は2階まで。

1位 【絶対避けるべき】旧耐震のマンション

①築40年以上は×(令和元年=2019年末時点)。
②旧耐震でも耐震補強工事が行われている場合があるので、要確認。

中古マンションを購入する際の注意点【Part.2】

▼参考
【中古マンション】買ってはいけない、NGマンション10選!Part2 売れにくいマンションを買うと後悔します。Part2も10位から1位までを一気にカウントダウン!
https://www.youtube.com/watch?v=P_XyR_KnA-Q
〇下記に1つ以上当てはまる→要検討
〇2つ以上→避ける

10位 工業系用途地域のマンション

①都市計画法の地域地区のひとつ→周辺環境変化しやすい。
②居住誘導区域外になる可能性がある→区域外は住環境が低下。

9位 メゾネットマンション

①有効面積が狭い。
住戸内の階段部分がデッドスペースになる。

②コスト&手間がかかる。
吹き抜けになっている為、冷暖房が非常に非効率で電気代がかかる。
高い位置に窓があり手が届かない→掃除が出来ない。

③バリアフリーではない。

8位 マンション全体で位置的に駄目な住戸

①ルーフバルコニー真下。
子供がバルコニーで遊ぶようなことがあると、遮音性がないので音が響く。

②エントランスホールの上。
オートロックドアの音が響く。

③エレベーターに隣接している。
起動音、住人の足音、話し声。

④ポンプ室&電気室の近く。
防音対策がしてあるかどうか要確認。

⑤半地下&地下。
湿気、冠水、浸水の危険。

7位 投資用マンション混在型

①コミュニティの形成が難しい。
②近隣トラブルが起きやすい。
③建物維持管理に消極的で、不備が出やすい。

〇投資型は賃借人が住んでいる。
〇ワンルーム等の狭小住宅に住む人は、多種多様で生活リズムも不規則。
〇管理等に無頓着になりやすいので大規模修繕の話がまとまらない。

6位 雨漏り&浸水履歴がある

①一度雨漏りしたマンションは欠陥である可能性を疑う。
②修繕しても別の場所で発生することもある。
③浸水履歴があるような場所は、そういったことが起こる地形や立地であると認識する。

5位 売主が不動産会社の高過ぎるリノベーションマンション

※以降記載する【売主が不動産会社の高過ぎるリノベーションマンションに注意】を参照

4位 スキップフロアマンション

①スキップフロア→エレベーター停止階と非停止階が混在する。
〇エレベーターが停止しない階のフロアにある住戸のこと。
〇エレベーターが停止する階から、階段を上がるか下りるかして玄関に辿り着く。

②もともとは建築コスト削減目的で採用されていた。
③利便性に欠ける。
〇バリアフリーが基本なので新築では発売されていない。
〇非停止階の価格は停止階に比べかなり安くなる。

3位 事故物件

①専有部分で起きた場合と、共用部分で起きた場合がある。
〇専有部分→重要事項説明あり。
〇共用部分→不動産業者によって説明が曖昧。

②疑わしい場合には近隣住戸から情報を得る。

2位 嫌悪施設が近くにある

①公害発生施設や火葬場、刑務所や墓地、風紀を乱す施設。

思い浮かぶのはパチンコ店、飲み屋&飲食店(ネズミや虫が湧く)、ラブホテル、風俗店。

1位 既存不適格物件

〇新築時は合法だったが、その後の法改正や条例改正により違法な状態となった物件のこと。

①同規模の建物が建てられない(建て替えで不備が出る)。
②資産価値が下がる。
③業者も見落とすことがあるので要注意。

売主が不動産会社の高過ぎるリノベーションマンションに注意

▼参考
【中古マンション】買ったら700万円損する中古マンションとは?具体例と見分け方、対処法を解説します。お見逃しないようご覧ください!
https://www.youtube.com/watch?v=qbptQUvhebw

リノベーション完成済みマンションには注意する必要がある。

◆販売価格構成
仕入れたマンション価格+リノベーション工事費用+諸経費+利益

〇諸費用とは?

①仕入れ時の仲介手数料
②登記費用
③不動産所得税
④各種清算金(管理費&固定資産税)
⑤広告宣伝&販促費
⑥販売時の仲介手数料

(仲介手数料が2倍かかっている)

 

◆価格比較(利益率15%の場合)

買取再販物件
(リノベーション物件)
一般物件
本体2,000万2,000万
工事700万(リノベーション工事)720万
経費300万100万
利益520万×
総額3,520万2,820万

700万損している。
相場価格よりも700万高く買うことになる。

まとめ

【Part.1】と【Part.2】の順位のタイトルをまとめた。

◆10位
〇坂の上のマンションで駐車場が100%取れていない
〇工業系用途地域のマンション

◆9位
〇給湯器が電気温水器しか使用できない
〇メゾネットマンション

◆8位
〇フローリング禁止(敷き込みカーペット)
〇マンション全体で位置的に駄目な住戸

◆7位
〇一棟全体の戸数が30戸程度以下
〇投資用マンション混在型

◆6位
〇月々の積立金額が目安200円/㎡以上ない
〇雨漏り&浸水履歴がある

◆5位
〇エアコン設置が出来ない居室がある
〇売主が不動産会社の、高過ぎるリノベーションマンション

◆4位
〇リビングなどの主要開口部、サッシ側のロケーションが悪い
〇スキップフロアマンション

◆3位
〇駅から徒歩10分以上かかる
〇事故物件

◆2位
〇【絶対避けるべき】エレベーター無しの4階&5階の住戸
〇嫌悪施設が近くにある

◆1位
〇【絶対避けるべき】旧耐震のマンション
〇既存不適格物件

 

順位はあるものの『1つ以上当てはまる場合は要検討、2つ以上は避ける』と言われているので、挙げられている各項目は全て重要だと考えていい。これらを把握しつつ中古マンションを探せば、リスクはかなり抑えられえるのではないだろうか。
大きな買い物になるので、慎重に用心深く検討したい。